招聘者はどんな人たちなのか
- De Angelis, Massimo|マッシモ・デ・アンジェリス
- Berardi, Franco (Bifo)|フランコ・ベラルディ(ビフォ)
- Driscoll, Mark|マーク・ドリスコル
- Eden, Dave|デイヴ・エデン
- Fithian, Lisa|リサ・フィシアン
- Fleming, Jim|ジム・フレミング
- Graeber, David|デイヴィッド・グレイバー
- Grubacic, Andrej|アンドレ・グルバチッチ
- Halpin, Harry|ハリー・ハルピン
- Hardt, Michael|マイケル・ハート
- Harootunian, Harry|ハリー・ハルトゥーニアン
- Holloway, John|ジョン・ホロウェイ
- Jordan, Brandon|ブランドン・ジョーダン
- Ko Byung-Kwon|高秉權
- Lazzarato, Maurizio|マウリツィオ・ラッツァラート
- Maeckelbergh, Marianne|マリアン・マッケルバーグ
- Sitrin, Marina|マリーナ・シトリン
- Solnit, David|デイヴィッド・ソルニット
- Yi Jin-Kyung|李珍景
De Angelis, Massimo|マッシモ・デ・アンジェリス
人となり,活動歴,主だった主義・主張
- イーストロンドン大学経済学講師。
- "The Commoner" 誌の寄稿者の一人。
- 原蓄論,価値論から『資本論』を読み直す。
運動論,状況分析,オルタナティヴ,等
- 暴力と「犯罪化」:手段ではなく,新たな社会を構成するための社会的力として,暴力を理解する。運動の「犯罪化」に抗するためには,暴力を道徳的善悪からではなく,具体的な文脈における「責任」という観点から考えるべき。(コミュニティに対して真に無責任なのは,誰の暴力か?)
- 市場化へのオルタナティヴ(ズ):グローバルな市場化へのオルタナティヴとして国家を論じることから,完全に手を切るべき。ありうべき社会的協働を組織化する形態は,運動の現場においてすでに現れつつある。
- 諸コミュニティのコミュニティ:コミュニティとは共通性に基づく集団ではなく「他者との関与の一形態」である。そう考えるとき,ローカル/グローバルの区別とは,内と外の違いではなく,コミュニティと「諸コミュニティのコミュニティ」との区別である。
(「運動から社会へ」『VOL-zine』第1号を参照。)
Berardi, Franco (Bifo)|フランコ・ベラルディ(ビフォ)
人となり,活動歴,主だった主義・主張
- メディア・アクティヴィスト。Telestreet(メディア・ジャック運動)のひとつ,"Orfeo TV" を創設。
- "cognitariat"(cognitive + proletariat)概念を提唱。
- フェリックス・ガタリと協働の経験もあり。
運動論,状況分析,オルタナティヴ,等
- 主体化,組成composition:「労働者」という歴史的主体ではなく「主体化」を,つまり主体の「生成」「組成composition」を議論するべき。社会階級もまた,実体や主体としてではなく,文化,セクシャリティ,労働の拒否といった「社会的欲望」が備給(仏:investissement)されるプロセスとして再考されるべき。
- 認識的労働cognitive workからの収奪とそれへの対抗:ネット会社の労働者は自分たちが収奪されていることに気付きはじめている(公共の知の私有化)。資本に対して自律的な知の制度の生産者としての"cognitariat"。
("What is the Meaning of Autonomy Today ? Subjectivation, Social Composition, Refusal of Work"を参照。)
Driscoll, Mark|マーク・ドリスコル
人となり,活動歴,主だった主義・主張
- 日本研究者(大正エロ・グロ・ナンセンスを研究)。
Eden, Dave|デイヴ・エデン
人となり,活動歴,主だった主義・主張
- ASEAN University Network 所属。
- キャンパス闘争の低迷と左翼主義をどう脱却するかについて議論。
Fithian, Lisa|リサ・フィシアン
人となり,活動歴,主だった主義・主張
- 70年代後半から精力的に活動を続けているアクティヴィスト。
- 現在は "United for Peace and Justice" のメンバー。
Fleming, Jim|ジム・フレミング
人となり,活動歴,主だった主義・主張
- オートノメディア編集長。
運動論,状況分析,オルタナティヴ,等
- 崩れ行くナショナリズムよりもグローバル資本の統合が危険:場合によっては「国家権力さえ世界資本の悪辣な力に対するブロックになる可能性もある」。
- 対自的階級:対自的なプロレタリアートとは,プロレタリアートの駆除,プロレタリアートであることの否定,労働の乗り越えである。
(「ポスト・アウトノミアのメディア状況—オートノメディアのジム・フレミングに聞く」(『インパクション』147号を参照。)
Graeber, David|デイヴィッド・グレイバー
人となり,活動歴,主だった主義・主張
- アナーキスト人類学者。
- 現ロンドン・ゴールドスミス大。
運動論,状況分析,オルタナティヴ,等
- マルクス主義とアナーキズムの潜在的相互補完性:①マルクス主義=革命戦略についての理論的または分析的言説となる傾向,②アナーキズム=革命的実践についての倫理的言説となる傾向。ならば両者は潜在的には相互補完的なものとなりうる。
- 変革の主体,先住民:革命の担い手は,社会の最も疎外されていない部分と最も抑圧されている部分との連合なのではないか。世界各地の先住民は,同時にこれら両者であるがゆえに,彼らの闘争が重要なのではないか。
- 権力者を困らせる「暴力の欠如」:近年の運動においては,市民的不服従の様々な新しい形態が追求されている(自分にも弾圧側にも身体的損害を与えない,それでいてなおかつこっけいなコスチュームをつけるなど)。弾圧する相手を何としても暴力的,犯罪的なものと見なしたがる権力者に対する,有効な闘争手段である。
(「前衛主義のたそがれ」作品社『世界社会フォーラム 帝国への挑戦』所収,および「新しいアナーキストたち」『現代思想』2004年5月号を参照。)
Grubacic, Andrej|アンドレ・グルバチッチ
人となり,活動歴,主だった主義・主張
- アナーキスト歴史家
- "FreedomFight"(セルビア,2003年より)の活動にも参加。
運動論,状況分析,オルタナティヴ,等
- 全てのアナーキストの思考に通底する三要素:①反国家主義,②反資本主義,③将来社会を先取りする政治への支持。(19世紀からのアナーキズムの歴史を概観したあとで列挙。)
- 反知性主義と知性偏重双方の乗り越え:「ポストモダンマルクス主義者の御伽噺『帝国』の批評をするくらいなら,アナーキストの「帝国」を書くべきである」。現在のアナーキズムは,知的闘争や理論を重視すべき。
- アナーキストも政治を構想すべき:消極的・破壊的プロセスを通じて新しい社会を達成しようとする(「状況が悪くなればなるほどよくなる」という論理)ことは認められない。「檻の床を広げていく」積極的政治プランを通じ,民衆の短期的要求の成長を経て,より大きな変革を目指すべき。
(「もうひとつのアナーキズムに向かって」作品社『世界社会フォーラム 帝国への挑戦』所収,を参照。)
Halpin, Harry|ハリー・ハルピン
人となり,活動歴,主だった主義・主張
- エジンバラ大情報学博士。
- AIや認識科学における哲学的問題に関心。
Hardt, Michael|マイケル・ハート
人となり,活動歴,主だった主義・主張
- デューク大学文学部教授。
- 共著に『<帝国>』(以文社),『マルチチュード』(NHK出版),など。
Harootunian, Harry|ハリー・ハルトゥーニアン
人となり,活動歴,主だった主義・主張
- ニューヨーク大学歴史学・東アジア研究教授。
- 著書に『近代による超克』(岩波書店)など。
Holloway, John|ジョン・ホロウェイ
人となり,活動歴,主だった主義・主張
- 現プエブラ自治大学講師。
- 国家権力をとらない革命を提唱。
運動論,状況分析,オルタナティヴ,等
- 叫び,否定性:発端にあるのは,不正で不平等な社会に対する具体的経験を伴った叫び=否定性である。アカデミックな言説はそれを霧散させてしまう。叫び=否定性は「そうであるものの拒否」と「そうなるかもしれないものの企図」という二つの次元を持っているはずである。
- 国家をめぐる誤り:マルクス主義者は,国家が資本主義社会関係にどの程度組み込まれているのかを低く見積もりすぎた。そのため,変革すべき社会をナショナルな=国家規模の社会として想定する傾向から脱せなかった。また,国家奪取を目指す闘争は,道具化とヒエラルキー化を免れなかった。
- パワー/アンチパワー:叫びの次には行為doingがある(拒絶という行為も含めて)。行為とは「することができる」ことを前提とする。こうして,力/権力powerとは本来「〜する力」power-toがあることを意味する。だが,社会的な行為の流れflowが挫かれるとき,それが「〜に対する力」power-overに変換される。そのようなpower-overを解決し,power-toを再び解放しようとする力が,ホロウェイの言う「アンチパワー」(「対抗的権力」ではなく)である。
(Change the World Without Taking Power, 2002を参照。)
Jordan, Brandon|ブランドン・ジョーダン
人となり,活動歴,主だった主義・主張
- "Deep Dish TV"(アメリカ発の草の根衛星放送ネットワーク)の編集長。
Ko Byung-Kwon|高秉權
人となり,活動歴,主だった主義・主張
- 「研究空間スユ+ノモ」の研究者。
運動論,状況分析,オルタナティヴ,等
- 「研究空間スユ+ノモ」: ソウル社会科学研究所(当時)の李珍景,高秉權や,水踰研究所の高美淑らが中心となって,1999年に作られた研究グループ。近代性,コミューン主義,革命と社会的欲望など,多様なテーマを追究している。また,研究者たちの共同生活という試みを通じて,研究の空間・日常性の空間・運動の空間の積極的な接合を実践している。
Lazzarato, Maurizio|マウリツィオ・ラッツァラート
人となり,活動歴,主だった主義・主張
- "Multitudes" 誌の編集委員。
- CIP-IDF(イル・ド・フランスにおける舞台芸術労働者intermittentや不安定就労者pr残aireの協同組合)の活動にも参加。
運動論,状況分析,オルタナティヴ,等
- 賃金労働モデルからの脱却,ベイシック・インカム:賃金労働という形態は,多様な社会的欲望を取り込み,賃労働者を主体形成の特権的モデルとする。こうして生は労働に,あるいは生政治の一要素に貶められる。ベイシック・インカムは,そのような「賃労働者」という抑圧的な主体モデルを脱却し,多様な生に根ざした多様な主体形成を達成するための条件となる。
- 女性とマイノリティの闘争:女性,同性愛者,移民などのマイノリティの闘争は,そのような主体性を作り上げていくためのカギを与えてくれる。彼らの闘争は,組合や左翼の闘争とは異なり,国家や企業といった一般性には還元されない,多様な社会的欲望を作り出している。
(「「マイノリティ」の闘争と欲望の政治」『現代思想』2000年3月号を参照。)
Maeckelbergh, Marianne|マリアン・マッケルバーグ
人となり,活動歴,主だった主義・主張
- オランダ・ライデン大学文化人類学教授
Sitrin, Marina|マリーナ・シトリン
人となり,活動歴,主だった主義・主張
- ラテンアメリカ研究者。
- アルゼンチンの"Horizontalidad" (horizontalism) 運動をインタビュー調査している。
運動論,状況分析,オルタナティヴ,等
- Horizontalidad(アルゼンチン):2000年前後のアルゼンチンにおける経済危機の頃から,運動として高まってきた。Horizontalismはイデオロギーではなく関係性を示しており,多様な運動体の重なり合いから成りたっている。占拠され,そのそれぞれが直接民主主義と集合的合意形成の形態のもとで生産を続けている数百の工場や,失業者運動(MTD)のネットワークから組織された多数のグループや,近隣の自営の飲食店や教育機関などからなる複合的な運動が,Horizontalismと呼ばれているのである。
("Horizontalidad in Argentina"を参照。)
Solnit, David|デイヴィッド・ソルニット
人となり,活動歴,主だった主義・主張
- 「ザ・パペット・ガイ」として有名な,人形劇を通じて主張を行うアクティヴィスト。
- 近年は "Coalition of Immokalee Workers"(フロリダ州のラティーノや先住民などを中心としたコミュニティ)や "People Powered Strategy Project"(イラク反戦活動および戦争に協力する企業への圧力運動)に参加。
Yi Jin-Kyung|李珍景
人となり,活動歴,主だった主義・主張
- 「研究空間スユ+ノモ」の研究者。
- 「コミューン主義」を提唱。
運動論,状況分析,オルタナティヴ,等
- 「友情の政治学」,affect(感応,情緒)の重要性:「ある対立が生じたとき,どちらか一方をとることとは別に,…対立と無関係に存在する多様な種類のコミューン的欲望を触発するというやり方で活動」できるのではないか。そのために,笑いやユーモアの重要性を認識し,また「敵対」ではなく「友情」の政治学を考えるべき。
- 差異の政治学:差異を「認める」対象や「保存」の対象とすることが根本的な保守主義。差異は保存されるものではなく生成するものである。
(「前衛組織ではなく 80年代の運動経験」『インパクション』153号を参照。) - 「研究空間スユ+ノモ」: ソウル社会科学研究所(当時)の李珍景,高秉權や,水踰研究所の高美淑らが中心となって,1999年に作られた研究グループ。近代性,コミューン主義,革命と社会的欲望など,多様なテーマを追究している。また,研究者たちの共同生活という試みを通じて,研究の空間・日常性の空間・運動の空間の積極的な接合を実践している。
文責:柏崎正憲